
廣島屋でキュ!廣島屋
2月8月、興行界は不振だというのは割とよくいわれる話である。特に8月は、夏休みにお盆もあって、日本全国帰省の民族大移動がある中で、一方で観光地へは大挙して人が訪れるわけで、この時期の集客は本当に大変だと思う。
さて、そんな夏休みの時期に二本の舞台に行ってきた。どちらも知り合いが出ているが、一方はその劇団自体に(その作品に)非常に惹かれるものがあり何度か足を運んでいる。かたやもう一方は、初めて見るところだ。
で、どちらも終演後、足早に劇場を後にした。「知り合い」にも会わず。
「知り合い」という時の濃淡は当然あって、お互い名前と顔が一致する程度から毎週のように酒を飲む仲まで、さまざまあるわけであるが、一応なんらかのご縁で連絡なんぞを取り合ったり時候の挨拶をしたりする仲で、公演案内などをいただいた場合、予定が合えば極力行くことにしている。舞台に限らず、音楽系のライブでもお笑いのイベントでも、大きな劇場でも小さなライブハウスでも、問題は自分のスケジュールが許すかどうか(あ、それと経済的な問題があるけれどw)である。
で、音楽やお笑いのライブのときは別として、芝居を見に行った場合、ボクは終演後すぐに脱兎のごとく出口に向かう。そうして知り合いに会わないようにして、帰りの電車の中でメールをするようにしている。
苦手なのだ。今の今まで舞台上でそのモノガタリの中懸命に演じていた人と「素」の状態で挨拶を交わす、ということが。
それは逆もそうで、自分が出ているときは少なくとも終演後すぐに自分のお客さんと会いたくない。「折角見に来てくれたんだから、直接会ってお礼をいうべきだ」という正論は重々承知の上だ。
ボクがもっと若くて演劇経験のない役者だったら、おそらく周りからはそんな態度をとっていることに対してかなり攻撃(説教?忠告?)されるかもしれない。が、長生きはするもので、そんな失礼な行動も長年やり続けることによって「あの人はそういう人だ」という認識を持ってもらえるのである(ま、その時点で人間の評価としては終わっている、という見方もできるかもしれないがw)。
周りには芝居を見に行ったら終演後はもちろん役者と挨拶を交わし、あまつさえ一緒に飲みに行ったり打ち上げに参加したりする人が多いこともよく知っているし、それが次の自分の活動につながることも理窟としてはわかっているのだが、それがボクにはどうしても出来ない(こんなことを書くと、終演後役者に挨拶をする人や飲みに行く人を暗に非難しているようだが、まるで逆なのである。ただ、それが出来ないヤツもいるのだ、というだけの話である)。また、そんな損得の話ではなく、直接芝居の感想をいう機会として、終演後のロビーや飲み屋というのは格好の場所であるだろう。だが、ボクには出来ない。よいにしろ悪いにしろ、頭の中がまとまらない、というのもあるが、メールでも当たり障りのないことしか書けなかったりする。だから、単純に頭脳の問題だと思う(といって、評論家気取りで単なる感想をいわれるのも、いわれる方としては迷惑なだけだろうが)。
そんなわけで、以前一緒にイベントに参加した弾き語りの若者から歌の感想をしつこく聞かれて困ったことのあるボクとしては、ライブや芝居が終わった後いかにスムースに帰路につくか、というのは重要な問題なのである。
つづきは明日のお楽しみ!






