2007年09月17日

第128回『やってごらん』

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劇団上海自転車主宰(拠点・愛知) 中野菜保子

 いつだったか、入社してまだ間もなかった友人が、困り顔でこんなハナシをしてくれた。「極力コストが安くて、いい企画を考えろって言われちゃって。全くアイデアが浮かばないよ。」
 
 入社して間もないのに、やはり世知辛いのだなあと思っていたら、後日べつの友人がこんなハナシをしていた。「経費のコトは俺(上司)が考えるから、ともかくなんでもいいから面白いと思うコトは企画書つくってみろって言われて。くだらないコトばっか思いつくよ(笑)」

 なんだヒトによりけりなのか。先の友人はとんだ上司に捕まったもんだな、と思った。親や教師・上司は選べないから厄介だ。

 入社して間もない社員に金の心配をさせるなんて、かなり勿体無いコトである。若くてアタマの柔らかいうちに、誰も思いつかないような発想で売れる企画を立ててもらったほうが、よっぽどか金になる。

 ヒトは何かに縛られるとココロもカラダも緊張してしまい、物事がうまくいかなくなるコトが多い。「〜せねばならない」という人間ばかりが増えると、なんにつけても潤わなくなってしまう。

 ワタシの恩師のしかた先生は、演出をする場合ワタシに対して常に「好きなようにやってごらん」と言っていた。ワタシは責任のある自由を存分に謳歌した。それでも未熟な部分は、しかた先生が責任を持ってくれていた。だからワタシの演出のやり方も、やっぱり「好きにやってごらん」なのである。

 好きにやらせる、というのは責任をもたない、というコトではない。

 上司がちゃんと責任を持ってくれると感じると、かえってしっかりやろうとするのが人間の心理と言うもので、結局“くだらない企画書“は”いい企画書“となって、友人は会社に大いに貢献したようだ。 

 責任の所在をはっきりさせ、安心して発言できる環境を作るのがいいアイデアを効率よく出してもらうための第1歩ではないだろうか。

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