2007年07月10日

第百四十八回「アナログエンターテイメント 新・紙芝居創世記」

yamasiro
廣島屋でキュ!廣島屋

 さて、七夕の夜、ついに21世紀紙芝居「蛇蝎姫と慙愧丸」を見てきた!

 今回のイベントは大きく2部構成になっている。前半は、演芸としての紙芝居の祖先のひとつとも考えられる「のぞきからくり」と「江戸写し絵」、そうして街頭紙芝居師・森下正雄さんによる「黄金バット」の上演である。

 後半の、全300枚を越える原画をもとに講談師・神田陽司さんが口演する「蛇蝎姫と慙愧丸」については、次回以降にしたいと思う。今回は、前半について話してみたい。

 まずは、今回のイベントの主催である、浅草雑技団によるのぞきからくり「八百屋お七」。からくり屋台とからくり絵を元に、口上人がバチで複雑なリズムを作りながら、物語を語っていく。男女二人の演者が上演していた。のぞきからくり、ということで、本来はからくり屋台下部ののぞき穴からのぞくとそこから語りに合わせて色々な絵が見えるのであるが、何しろ会場は満員札止めで、のぞくことはできなかった。

 リズムに合わせた語り物、というと説教節とかに通じるものがあるのだろう。

 今回使われたからくり屋台は、新潟県巻町(現在は新潟市)に現存する屋台と責め絵で有名な伊藤晴雨の仕掛け図を参考に浅草雑技団が1987年に制作したものだそうだ。

 続いて、劇団みんわ座による「江戸写し絵」。最初に代表の方が舞台に上がって、ざっとマジックランタン(幻灯機)の歴史や現況などに触れ、早速写し絵「だるま夜話」が上演された。木で作られた軽い幻灯機(風呂、というらしい)に種板をさしこみ、それを4、5人の演者が一人ひとつずつ持って、大きなスクリーンの裏であちこち動き回りながら、スクリーン前の演者の語りに合わせて物語を進めていく。

 これが実は、今回のイベントで一番の驚きだった。以前世田谷のイベントでご一緒した江戸紋きり型影絵のときと同じで、思わず声が出てしまうほどの面白い出し物だった。お話は、掛け軸のだるまが抜け出して、花火大会を見に行く途中、腹が減ったので夜鳴きソバを食べる。が、お金を持っていないのでソバ屋の亭主に追っかけられて、慌てて掛け軸の中に戻ったのだが……という短いものだ。一瞬でだるまに手足がはえたり、積み上げられたソバがどんどんなくなっていったり、花火が夜空に広がったり。それが、驚くべきことにカラーで繰り広げられるのだ!日本のアニメは、本当は最初からカラーだったのだ!

 そう、まさに「江戸写し絵」はアニメの祖先でもあるのだ。

 ちなみに、劇団みんわ座では、毎年一回東京芸術劇場で一般向けの公演をやっているという。今年はもう終わってしまったそうだが、来年は何とか見に行きたいものである。

 そうして前半最後は、森下正雄さんの「黄金バット」。「怪獣篇」と「怪タンクあらわる」。ここで初めて知ったのだが、この二つの黄金バットの話は、加太こうじさんが森下さんのために描いたシリーズであったらしい。喉頭ガンのために今は喋ることができない森下さんだが、四国での実演を見たファンの人がその内容をテープに録音していて、森下さんに届けてくれた、そのテープを使って、まるでその場で語っているかのような臨場感の中、太鼓や鉦が叩かれ、黄金バットと怪獣、怪タンクの闘いが始まる。

 さすがに会場の広さもあって、黄金バットの絵の大きさはA3だった。それでも客席の後ろの方だとあまり絵自体を詳しく見ることはできないだろう。ボクは自分がその翌々日この舞台に立つことを想像しながら、見ていた。

 そんなわけで、第1部だけでお腹いっぱいになったボクであるが、この後の第2部でもまたたっぷりと紙芝居の世界を堪能することが出来たのである。

 その話は、また今度。

 劇団みんわ座
 http://www.t3.rim.or.jp/~minwaza

 というわけで、続きは明日のお楽しみ!
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