2007年07月30日

第121回『ウソを突き通すというコト』

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劇団上海自転車主宰(拠点・愛知) 中野菜保子

 イベントショーの仕事が入った。夏休みの間によくやっている、所謂子供向けのキャラクターショーだ。
 まだ1ヵ月以上イベントがあるのでささやかなヒントで申し訳ないが、“見た目はコドモ、頭脳はオトナ”な“名探偵”役をやっている。
 
 よくあるキグルミでも着るのかと思いきや、キャラクターの頭部以外は肌色のタイツのようなものを装着し、おなじみの衣装を着るだけで、ほとんどワタシの体型が丸わかりだ。身長はいいとしても、なんだか異様に腰の位置の高い“名探偵”となった。

 「明らかに誰かヒト入ってるやんか」と、幼少期のワタシはキャラクターショーに全く興味がないどころか、リカちゃん人形などの御飯事にすら興味がなかったので、こういう類のイベントへ親に連れて行って貰って喜んでいる同級生のキモチはよくわからなかった。

 そんなコトを思い出しながら子供たちの前に“名探偵”なワタシが現れる。園児たちは歓声を上げたり手を振ったりしてワタシを歓迎している。が、小学生以上になると、明らかにキョトンとした顔の子供がいる。

 そりゃそうだろう。期待していた自分のイメージとは異なり、明らかにヒトの肌じゃなさそうで衣装もフィットしていない、顔の表情も変わらなくて異様に腰の位置の高いヤツが出てきたのだ。子供だって絶句するだろう。

 「ごめんねごめんね…」と何故かココロの中でつぶやく。それでもワタシはウソを突き通さなければならない。“名探偵”お決まりの、ポケットに手をつっこむポーズやメガネに触れる仕草などを駆使して、なんとかキャラクターに徹するのである。

 しかしオモシロいもので、そうやっているうちに子供たちはこの“腰の位置の異様に高い名探偵”を、そういうモノだという風に受け入れだす。子供というのは根本的に、いろんなコトを素直に楽しむ能力に長けているのだ。

 「明らかに誰かヒト入ってるやんか」と思いつつ、「でも目の前にいるのは事実、“名探偵”だ」と考え方を転換するコトによって、その場の雰囲気を楽しんでいるのだ。
 これはとても、お芝居と似ている。というよりも、お芝居そのものの構図だ。

 ウソで固められた世界を私達はホンモノとして演じきる。創りこむ。ウソのつき方が徹底していれば、観客も「いっちょノってやろうじゃん」という気になる。その瞬間、ウソの世界は刹那的にホンモノの世界となる。

 受け入れる楽しさを知らなかった幼少期のワタシは損をしたかもしれない。

 ワタシのようなコドモを極力減らすためにも、日々キャラクターに徹する所存である。
この記事へのコメント
こんにちは!twincle☆familyの泉星と申します^^

とっても素敵なサイトですね^^☆

良かったらお近づきになれたら嬉しいです^^

また遊びに来させてくださいね♪



お時間があるときにでも

私のファミリーを紹介ししたいので^^

良かったら遊びにいらして

ください。

twincle☆familyの泉星でした♪


Posted by 初心者だって稼げるワン☆泉星の自宅で簡単!貧乏からの脱出法〜!!の泉星 at 2007年07月30日 10:30
twincle☆familyの泉星 様

 はじめまして。遊びにお越し頂き、誠に有難うございます。

 ご家族のワンちゃんたち可愛らしいですね。 パパだけオスですか。それもまた明るくていいですね。

 ではでは、またいらしてください。
Posted by 中野菜保子 at 2007年07月30日 17:42
名探偵お疲れ様です!

 わたしは何たらレンジャーを近所のユニーへ喜び勇んで見に行っていたくちです、はい。むしろ本物と信じて疑いませんでした。 
 ・・・今でも某ネズミの王国へ行ってしまえば中におっさんが入っているかも知れない現実は忘れる事ができます(笑)

 その場の雰囲気と本物っぽさでわたし達は楽しませてもらっているのだな、と改めて思いました。

 名探偵な菜保子さんも見てみたいものです。

 
Posted by みつ at 2007年07月30日 20:31
みつ 様

 そうなんですよね。ネズミーランドの三木さんたちに関しては、全体的にウソのつき方の規模がもう半端じゃないから、あれだけ徹底されればもうOKですよね。
 この話は劇作家のマキノノゾミさんも仰ってました。次回はこの件について書いてみようと…。

 是非みにきてください。うふふ。
  
Posted by 中野菜保子 at 2007年07月31日 15:05
 ヒーローショーって、単純に楽しませることが目的のほとんどだから、子供も大人もなんだかんだで気軽に楽しめますね。
 これが別目的(販売・宣伝・教育など)も含んでしまうと、よほど巧妙でないと陳腐で胡散臭さが気になって「騙されないぞ」という冷静さが働いて、なかなか「ノってやろうじゃん」とはならなくなってしまいます。
 子供の頃、ヒーロー○○の映画を上映するというから楽しみにしていたら、「○○の交通安全」というギャフンなかんじで、内容もお役所の意向汲み放題の終始お堅い内容でした。あれを作った大人を逮捕してほしかった。 
Posted by くにえ at 2007年07月31日 22:30
くにえ 様

 ウルトラマンやライダーショーはそもそもが実写版なのであんまり抵抗がありません。仮面なのでもともと表情も動かないですし…。

 そうですよね。物品の購買が絡むところはイヤですね。ショーそのものを開く事による集客目的ならいいけれど、ショーのあとに「グッズ販売中ですよろしく!」って言われると不愉快です。

 話が少しそれますが、児童文学もちょっと教訓じみたものを含むものがあって、そういうのが見えると「あちゃー」と思いますね。思想を刷り込んでしまうので、危険だなあとおもいます。
Posted by 中野菜保子 at 2007年07月31日 23:49
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