2007年08月14日

第百五十三回「ちしゃ医者」

yamasiro
廣島屋でキュ!廣島屋

 新作落語紙芝居「ちしゃ医者」が完成した。先日の「犬の目」に続いて、短い間に二本も新作を作ったことになって、正直そのことに一番驚いている(自分で作っておいて驚いていたら世話はないのだが)。

 「ちしゃ医者」はもうずいぶん前に故・桂枝雀さんの高座で聞いた噺である。藪だけれど人のいいお医者さんが主人公で、夜中に隣村の老人が危篤状態になり、急遽駕籠をあつらえて出かけるのだが、その途中で老人が亡くなったという連絡が入り、駕籠の先棒を担いでもらっていた隣村の使いの人間も行ってしまい、仕方なく先生と助手が空の駕籠を担いで帰るのだが、どうにも間の悪いことが重なったあげく、ついには……という噺で、枝雀さん独特のジェスチャーを交えた楽しい高座だった。

 ちなみに、「ちしゃ」とは、日本レタスとも呼ばれる野菜で、サラダやハンバーガーでお馴染みの玉レタス(いわゆるレタス)とは違うものだ。

 さて、この「ちしゃ医者」だが、原画が出来上がった段階で一度さらっと流してやってみた。もちろん、細かい部分は上演台本通りではないが、それでも今までの2作とは違って台本にない部分の知識がより必要だということを痛感した。

 たとえば、藪医者よりもランクの低い医者を「雀医者」と呼んでいるのだが、それは「雀は藪を目指す」から、という意味合いでそういっているらしいのだ。が、そのこと自体は特に噺の中で説明はない。また、「お手水屋」という職業(といっても、農家の人の副業)が出てくる。これはわかりやすくいうと、「し尿処理業者」ということだが、現代の業者と違って集めた糞尿を肥料に使うのである。そうしてそのお礼に、育った野菜を持ってくることもあるそうだ。

 そういう、「知っていたらより物語を楽しめる知識」というのは、積極的に調べて噺の流れを壊さない程度に入れていった方がよい、と思っている。もちろんそれは「ちしゃ医者」だけではない。「後生うなぎ」では、仏教用語としての「後生」の意味や、江戸前の「うなぎ」についての知識だとか、「犬の目」では手術シーンがあるから「麻酔」のことなど、直接噺に関係するとか、それがないと困る(噺がわからない)ことではないが、背景として(少なくとも)演者は知っておいた方がよいことは、いくらでもあるのだ。

 そうして、「第3回紙芝居を肴に飲む日」もいよいよ今月25日(土)に迫ってきた。落語紙芝居だけのイベントというのは初めてなので、非常に緊張しているのである。

 つづきは明日のお楽しみ!
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/51408761

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。