2005年09月23日

「ガン予防日記」C

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ニセ劇団主宰・構成作家 丸二祐亮(まるにゆうすけ)

●笑うこと笑わないこと。

●人は何を笑うのか、何を笑わないのか。それは人によって違うが、舞台では、ある程度のルールがあるのだろう。

●今、ニセ劇団は、まさに公演中なのだが、ネタばれになってしまうが、出演者の西田夏奈子さんの「女神」というコントがある。

●まさにその女神は巨乳で、衣裳もマリリンモンローで、とにかく女神なのだった。そして、パンツも客に見せ放題なのである。女神自身がスカートめくってお客さんに見せ放題なのである。

●そのねたを本番五分前に、客席と舞台とを隔てているスクリーンの裏でチェックしていたときである。パンツを見せまくる動きを確認しているまさにそのときなのだった。

 「西田さんが、本物のパンツなのだった」

●これはちょっと笑えない。断っておくが、僕と西田さんは、ずいぶん前からの役者仲間で、西田さんのパンツをみて僕が興奮してしまったという事実はない。ここまで断らなくてもいいか。西田さん失礼!興奮しなかったが、びっくりしたのだった。

●見せるパンツをはく予定だったのだった。それを西田さんは、ぜんぜんきづかずにバンバン本物のパンツを見せてくる。俺は演出家だ。西田さんにやんわりと注意すると、ものすごいスピードで楽屋に戻って着替えにいったのだった。

●本物のパンツはまさに笑えないのだ。これは、舞台の不思議なのだった。

●そんな、舞台ならではの不文律というものが存在するのだった。

●何故本物のパンツは笑えないのか。それは、ちょっとここではよしておこう。とても長くなる。それにしても、西田さんよ、僕に、感謝してほしいよ。

●ほかにもいろいろある。お客さんの事情というものもある。

●たとえば、客席が余りにクーラーが聞きすぎていた場合。それも、やはり笑いに影響することが多い。「寒い」そういう肌に感じすぎることで、感情が埋められている人の感情に「笑い」は侵入しにくいのだった。不思議と暑いほうが人は良く笑うのだ。これは余り理由がわからない。確かに、暖かい地方の人は良く笑っていそうだ。そしてよく怒りそうだ。東南アジアを旅行したことがあるが、ほとんどの人が眉間に深いしわがある。暑いというせいなのではないだろうか。暑いと人は眉間にしわがよるのだ。みんなものすごい顔で歩いている。そして関係ないけど声が大きい。暑い国は大変なのだ。日本も徐々に暑くなってきていて、セアカゴケグモまで出ている始末だ。眉間にしわがよる日も近い。

●たとえば、意味もわからず、開演が押した場合。これは、お客さんはとても不快だ。「なんだよ、待たせやがって」そんな方を笑わせるのは用意ではないのだ。最初から、優しい気持ちにさせてあげないとやはりお客さんは笑ってはくれない。いろいろ笑いはデリケートなのだった。何しろ笑いに来ているのだ。すんなりと笑わせてほしいのだ。

●笑いは、考えることが多いよ。それは宿命なのだ。なかなか人は笑わない。でも、人は笑いたい。だから、笑わせるのはハードルが高くなってしまうのだろう。

●笑って生きていたい。まさにそんなエネルギーで今回の舞台に向かっているのだった。

●泣きたいことが多すぎるよ。いつだって泣きたい。思いっきり泣けたらどんなにいいだろう。だからこそ、笑って暮らしていたいよ。

●そんなこんなでニセ劇団の公演は今週の日曜まで続くのです。お時間がありましたら足をお運びくださいまし。


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2005年09月16日

「ガン予防日記」B

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ニセ劇団主宰・構成作家 丸二祐亮(まるにゆうすけ)

 17日に初日を迎える舞台の稽古の真っ只中だ。

 大詰めなので立ち位置などを決めていかなくてはいけない。照明さんが困る。

 ニセ劇団に鈴木燦さんという役者さんが出演してくださっているのだが、彼がなんと言っても立ち位置を守らない男なのだった。

 何度言っても「そうだったっ」ととても深く反省するが、全く守る気配がない。

 さすがに強く注意してみた。だが、全く直らない。


 立ち位置ってそんなに大事なのか?そんな気持ちが生じてきたのだった。

 
 立ち位置。それは、舞台の上の話ではない。

 電車のホームでは、白線の内側に立ち位置は指定されている。横断歩道もしかりだ。

 カウンターの前も立ち位置がきまる。カウンターから遠く離れたところで「ビックマック」と注文しても誰も聞いてくれやしない。

 トイレの前なんかとくにそうさ。男性なら若干後ろに下がることはできるが、そんなに自由ではない。

 先輩におごってもらったときは、礼儀としてお金を払うのを見てはいけないそうだ。出口で待って「ごちそうさまです」と挨拶するのが礼儀らしい。覚えておこう。

 レントゲンの機械の前は、厳しくその立ち位置が制限される。

 ホストクラブは、歌舞伎町に立っている。

 監督だって決められている。サッカーの監督はグランドの中に入ったりすると退場だ。

 スキーヤーは板の上だ。

 以上のように立ち位置はそこかしこで決められている。舞台上だけのハナシではないのだ。あらゆる立ち居地には理由が存在している。だが、理由がわからない立ち位置もある。

 マクドナルドは交差点に多くたっているが、モスバーガーは意外といい加減にたっている。

 ファイト〜一発〜で、「ファイト〜」を言う方は、ピンチの方なのだ。これは関係なかった。

 タッチが盛り上がっている。これも関係がなかった。

 
 そんなことを考えながら立ち位置を間違える鈴木さんを見ているとなんだか格好良く見えてきたりもするが、やはり立ち位置を決めるのだった。

 実はきょう、鈴木さんが始めて立ち位置を守ったのだ。しょうじき、とても嬉しかった。もっと早く守っていたなら、こんなに嬉しいことはなかったかと思うと、とても、人の気持ちは複雑だなと思ったのだった。

 明日から初日です。立ち位置を軽やかに守る鈴木燦さんを見たい方、是非ご来場ください。

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2005年09月09日

「ガン予防日記」A

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ニセ劇団主宰・構成作家 丸二祐亮(まるにゆうすけ)

 台風でとても大変な1週間でしたが、皆さんはいかがお過ごしでしたか?

 ニュースはほとんど台風で占められており、選挙の報道は大幅にけずられている印象。あるものが伝えられている間、あるものは伝えられないままなのだった。

 さて。

 今日は、自分が主宰している【ニセ劇団】について書くのだった。

 ただいま【ニセ劇団】は、公演に向かって猛稽古中なのです。どれくらい猛稽古かと言うと、煙草の灰が落ちそうなので、灰皿を探してもどうしても見つからないから、演出助手の岡部君に「灰皿そのへんにある?」と聞くと、「目の前にあるじゃないですか?」といわれ、目の前を見ると結構大きな灰皿かドドンドンと鎮座しておわす。大きな声で笑われた。

 馬鹿野郎。こっちは一生懸命演出してるのだ。と心の中で威張ってみるものの、実のところ、とても情けないのだった。どうして探してるものが見つからないのか。探し始めるとそれが見えなくなる。誰でも経験があるであろうその病。「探しているものが見つからない病」と仮に命名したとして、その治療法がまだわからぬ。

 あるときなどは、やはり煙草に火をつけて、灰皿が見つからなかったのだが「ははあ、さては探しているものが見つからない病だな。どうせ、目の前にあるに違いない」と、たかをくくり煙草の灰、まさに崩れようとして、目の前を見ると今度はどうやら本当にない。演出助手の岡部君に灰皿をもらおうとしたが、岡部君もどうやらいない。灰は見事こぼれて、ジーンズの味わいと化した。

 ある人は、「部屋を15分で片付ける本」が部屋のガラクタに埋もれて見つからないと嘆いていたが、それとはまた違う話だ。でも、それも、なんとも馬鹿やろうな話だぜ。

 今日は特にひどかった。

 ヤンキー座りをしながらスタッフ打ち合わせをしていると、やはり演出助手の岡部君が(いつも演出助手の岡部君が俺の隣にいるのだ)「チャック全開ですよ」と指摘してきた。「この野郎、最近、いろんなことに気がつくようになりやがって、生き生きしやがって、今度、大変なしごとを言いつけてやろう」と心の中で思いながら、全開で待ち構えているチャックを閉めようと、うつむいたその時、「なんだか、この風景見たことあるな。さてはデジャブ?」と驚くと、やはり岡部君が「昨日も全開でしたよ。デジャブではなくて、物忘れです」と痛烈な駄目だし。岡部君を恨む元気もなく、今度は大爆笑。なんて駄目な人間がここにいるのだろうか。笑うよ。二日連続チャック全開の男。ヤンキー座りをしているどころではないのだ。

 そんな、何もかも見えなくなる今の俺ですが、それもこれも、来週末に迫った【ニセ劇団】の公演のせいなのです。そのせいにしたい。それくらい今の俺は集中しているのだ。

 もしよろしかったらご来場くださいまし。

 この場をお借りして少々宣伝させていただきます。

●ニセ劇団TRIP#3「笑う乳房を持つ女」@パンプルムス 9月17日〜25日

 シティボーイズとはまた違う、「力み」をとても大事にしたコントです。シュールなコントからクダラナイものまでまとめてご覧ください。

 詳しい情報は[NICE JOURNAL]http://www.nicegekidan.comでどうぞ。


 
 アデュー。

2005年09月02日

「ガン予防日記」@

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ニセ劇団主宰・構成作家 丸二祐亮(まるにゆうすけ)

はじめまして。ニセ劇団の主宰の丸二祐亮と申します。

これからしばらくの間、ブログ記事を書かせていただくことになりました。よろしくお願いします。

このブログで何を書こうか、発表します。

ドゥルルルルルルルッル

ジャン。

「ガン予防日記」

とても大きなことを言ってしまいました。もちろん医者ではありませんのでガンを治療したりできるはずもありません。だがしかし、どうやら笑うことにはがん細胞を消滅させる働きがあるというのです。本当かよっ。でも、生活がとても不規則な私は、それを都合よく信じることにしました。とにかく笑おう。そう決めた僕が、なにで笑ったか。皆さんに紹介したらと思っています。

 そういえばこんなことがありました。二ヶ月ほど前のことです。

 自分の劇団の公演のためにチラシのスチールを撮らなくてはいけなかったので、取り合えずフランスパンを60本を用意する流れだったのだった。そして撮影当日岡部君だやってきたのだった。岡部君に60本集めてもらう手はずだったのだ。だがしかし…

岡部「すいません、40本しか集められませんでした」

 そういう岡部君の右手にはとんでもなく大きなカバンが。そして、驚くべきことに、岡部君の顔にとても変わったものが張り付いていたのだ。それはとても大きな絆創膏だった。とても大きい。どれくらい大きいのかというと、顔が全部覆われるくらい大きい。少し大げさに言ってしまいました。でも、右目が隠れるくらい、顔の4分の一くらいの大きさだったのだ。大丈夫か。そう思った僕に岡部君が

岡部「気にしないでください。それどころじゃないんです」

 どれどころじゃないのは、こっちだよっ。だって、とても大きな絆創膏だろう。どうしたんだよ。何があったんだよ。そう思う僕にさらに

岡部「残り20本、今から集めてきていいですか。申し訳ないです」

 そして、有無を言わせない空気で、岡部君は足を少し引きずるようにして渋谷の町に消えていったのだった。

 申し訳ないのはこっちだよっ。足を引きずってですよ。どうしたんだよ、足は。何で言ってくれないんだよっ。

 岡部君は、きっと、自分の怪我のせいで空気が暗くなるのを嫌がったのかもしれない。

 とても深刻な話にも思える。でも、僕は笑ったよ。とても大きな声で笑ってしまった。不謹慎かもしれないと思ったが、笑うしかないよ。岡部君のその頼もしさに。必要以上の頼もしさに。だって休めばいいんだもの。誰かに替わってもらえばいいんだもの。でも、岡部君がいたからこそフランスパンは集まったのだ。その岡部君が「気にしないで」というんだもの。岡部君の気遣いを勝手に受け取った僕は、深刻な顔ができるはずがなかった。笑った。

 岡部君はそのときとてもまぶしかった。いつもは少々くらい顔で僕の舞台を手伝ってくれているのだけれども、そのとき岡部君はとてもまぶしかったのだ。ひょっとして、光ったのではないか?そう思うほどまぶしかった。渋谷公会堂の前が一瞬戦場に変わった気がした。のどかな、とてものどかな渋谷公会堂前、独りの戦士がいたのだった。そして残りのフランスパンを買い集めに行くその後姿は、捕虜を救出しに向かうような戦士の決意と頼もしさとまぶしさにあふれかえっていたのだった。

 そのとき少しがん細胞が消滅したかもしれない。岡部君、ありがとう。

 どうぞ、これからしばらくの間「ガン予防日記」にお付き合いいただけると幸いです。

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